見えないルーツ・父方祖父編

sumire3 やっと書ける話

過去のお話はこのシリーズで終わりです。

だけどこれが一番ややこしくて重いんです。お読みいただく皆さまが重くならないよう、超重量級のところはサッと流します。

ド素人の書いたエンタメもどきだと思って、楽しんでいただければ幸いです。

まず父方祖父のルーツにかかわるお話から始めます。紫色の枠で囲んだところです。

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名前の夢

何年ぐらい前になるでしょうか。10年?もっとかもしれません。(加筆:調べたら15年ほど前でした😱)

当時は本当によく夢を見ていました。今はあまり見なくなり、よく眠れています。

これも夢のお話です。

夢の中で私とまだ小学生ぐらいの息子は、大きな家の離れのような部屋に引っ越します。

昔の日本家屋で、畳の部屋は明るく広々しています。

引っ越しも大方終わったので、離れ以外を見に行くことにしました。

渡り廊下からは広い庭が見えます。低い松の木がちらほらと植わっていて、良い日当たりのせいか、ところどころ苔が焼けて黄色くなっていました。なぜか庭が近所の人の通り道になってるようで、普通にスタスタと歩いていきます。近所の人は向こうの方にある、木の鳥居をくぐってどこかへ行きました。

渡り廊下は左へ分岐していて、その先は茶室のように小ぢんまりと独立した空間になっていました。

中へ入ってみると、お茶室ではなさそうです。割と大きな窓が開いていて、その前にお供物みたいなのが置いてあります。脚付きの木製角盆の上に、半紙でくるんだ四角いものが重ねて載っています。台形になるように下を多く、上を少なく積んであります。

窓から外を見るとすぐそこに、しめ縄のかかった木が見えました。あまり高くはないけど、いかにも古そうです。なんの木かはわかりません。

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ああ、ここは御神木にごあいさつするための部屋なんだなと思いました。

もっと近くで見たくなり、急いで履物をはいて木のそばまで行きました。

古い木は小さな葉っぱをたくさん付けており、木の根元は影になって薄暗い感じです。

その当時のリアルな私は、離婚時に子供が小さかったため、苗字を元夫の□□のままにしていました。

その苗字で声を出して、木にあいさつします。

「□□すみれです。これからよろしくお願いしま…」

すると全部言い終わらないうちに、どっしりした声が言いました。

『多賀すみれを 良く頼むぅ』

それは木の声でした。びっくりして一瞬身をかがめました。すごく大声というわけではないのに、遠くの方まであたり一面に響き渡ります。

声の波動で空気が振動してビリビリします。鳥が一斉に飛び立ち、古い木の葉っぱがワサワサ揺れて、落ちてきます。最後の振動が消えたら、あたりはしーんとなりました。

古い木がまわりのみんなに、私のことを紹介してくれたようです。

私はただポカーンとしていました。

「タガって言うたよな…?」

そうです。古い木は私のことをはっきりと、多賀すみれ、と言ったのです。

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