ドザえもんになりかけた話

hamabe やっと書ける話

小学1、2年生ぐらいの夏休み、近所のお友達が家族で泳ぎにいくというので、私も連れて行ってもらいました。

ふたりとも泳げなかったと思います。パラすみは今でも泳げません。

何を思ったのか、ふたり手をつないで沖に向かってチャプチャプ歩いていきました。

そんなに深くなかったはずです。キャッキャ言いながら歩いてたら、急にザブっと頭まで沈みました。

足元の砂が段差になって、深くなっていたようです。

ふたりとも泳げません。足のつかない水の中で、見事なくらい溺れました。

お友達のKちゃんは私の肩や頭を踏み台にして、水面に顔を出して

「たすけてー!たすけてー!」と叫んでいます。

踏み台の私は息継ぎができません。無茶苦茶に踏まれながら思いました。

「ああ、人間って、こんなに生きたいんやな…」

すごいなーと他人事のように考えていました。

するとお股のあたりにサーッと温かいものが触りました。あっ、お漏らしした。怒られる!!

そこで一旦記憶が途切れています。

気がつくと、バシャバシャと暴れて助けを呼んでいるKちゃんを、上から見ていました。

向こうから白髪頭に白い水泳帽をかぶった、姿勢の良いおじいさんがやってきました。

Kちゃんを抱き上げると

「もう大丈夫や!ハッハッハー」

と浜辺の方へ行ってしまいました。

助かって良かったな、あれ?私はどうなったんかな?…

boat

次に気がついた時はボートの上でした。

周りの大人は大騒ぎしていたような気がします。私はその後しばらくの記憶がありません。

私が上から見てたとき、私の体は水の中にありました。この3次元の世界にです。

では上から見ていた私はどこにいたのでしょう。3.5次元ぐらいかな?

どうやって戻ってこれたのか、今でも不思議です。

ぼく、ドザえもん!にならなくて本当に良かったなと思います。

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