春のお茶会

ochakai やっと書ける話

カワウチ姫のことが知りたくて、ネットであれこれ調べてみても良くわかりませんでした。

ここは本人に聞くしかない。

私の質問の仕方が悪いのか、答えてくれないこともありましたが、映像で見せてくれたものもありました。

「なんで私の前に出てきたの?」

カワウチ姫が言うには、仲良しの幼なじみと似ていたからだそうです。

夏には小川で水遊びをしたり、秋の夜には虫の音を聞きながら、月明かりでお話ししていたそうです。

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その幼なじみ、ハヤツキ(たぶん)さんは早くに結婚して3人の子に恵まれ、ほど近いところに住んでいたようです。それでも時々は遊びに来て、楽しい時間を過ごしました。

その少し前、カワウチ姫の両親は相次いで亡くなり、姉は遠くへ嫁ぎ、弟達は別々の縁者に引き取られていきました。

彼女も縁ある場所へ身を寄せていました。

そこへ会いにいくと、巫女のような役目をしていました。といっても現代の巫女さんとは違うようです。

久しぶりに会いにいくと、長方形の箱に弦を張った簡素な琴をひいてくれました。これは子供のころから練習していたものです。

今の琴のように音程を決めるパーツ(イラストでは白い三角の小さいの)は、なかったと思います。

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来客があれば、占いのようなこともしていました。それが主な役目のようです。

小さいかまぼこ板みたいな薄い板に、図形が書かれています。竹っぽかったです。良く使い込まれてツヤツヤしていました。

図形は「家」「木」「犬」みたく、一見して何かわかるものではありませんでした。簡単な図形の組み合わせでした。一枚指さして、これは方角を表します、と言っていました。

占いのお礼に野菜などを受け取っていました。大きな案件には布織物をいただくこともあるそうです。

彼女の服装は何種類かのパターンがありました。

最初に着ていた朱色の巻きスカート様のもの。

ごく淡いオレンジのジャンパースカートみたいなの。

ごく淡い赤の羽織物などなど。どれも質素で、アクセサリーっぽいものはつけていませんでした。

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少し暖かくなり、春の花が咲き始めたころ、カワウチ姫ご希望のお茶会をしました。

お花が気に入ったようで、桃の木の下でウルウルと楽しくされていました。

お茶はペットボトルで、もうちょっと気の利いたものはなかったのかと、今でも後悔しています。

私はなんとなく、ウキウキ楽しーという気分ではありませんでした。私から見たら、彼女はなかなかのご苦労をされていたからです。ご本人は、そういうものですから、という感じでしたが。

そんなことを考えていてふと気がつくと、ほわほわの優しい波動が横にいました。

あ、カワウチ姫が横に来たなと思っていると、違うエネルギーも感じました。

姫のお隣に渋い金色のメラメラがいます。ルチルクォーツってありますよね。あの金色の針をものすごくいっぱい集めて、光にして波打ってる人?です。

カワウチ姫よりずいぶんお姉さんに見えます。

一応、どちらさんですか?と聞いてみました。

すると2人ともにっこり微笑むだけで、お返事はありませんでした。はい、そうですか。

お茶会もお開きになり、帰り道でまた渋い金色メラメラを感じました。そっちを見ると、弁才天のお社がありました。

ああ、そうなのね。

弁才天さんと言えば、琵琶を持ってる天女風の女性だと思っていました。あれ?

きっと2人きりの寂しいお茶会を見て、仲間に入ってくださったのでしょう。弁天様にもお参りして帰りました。

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