ウズメさんは都会のド真ん中から、たまひめ島へやってきました。
こんななんにもないところなのに何故が気に入ったみたいで、日々スローライフを楽しんでおられます。
最近ではもっと美味しいパンが食べたいそうで、小麦を育てています。スペルト小麦という古代小麦の一種だそうです。
小麦粉が出来たら「これでパン焼いてちょうだい」とうちに持ってきます。
パンを焼くかわりに、小麦粉のおすそ分けをたくさんいただきます。
決まった曜日にバスケットを手に「明日のパン」を取りに来ます。
その帰りに案内所前の広場で午後のティータイムです。
お茶を飲むときはおちょぼ口で上品に。
「う〜ん、おいしいわぁ〜」
大阪のコメ○珈琲のモーニングタイムに、こういうマダムいらっしゃいます。
ウズメさんはかなりのお洒落さんでもあります。
お口が小さく見えるリップの付け方を、日々研究してるそうです。
このあいだ、朝に散歩してたらウズメさんにばったり会いました。
あっ、ウズメさんや。今日もコートと傘のコーディネート、ばっちり決まってるわ。
ちょっと声かけてみよっと。
「ウズメさん！おはよ！」
「おはよう、おねえさん。雨もうすぐ止みそうね」
大輪の牡丹のように微笑むウズメさん。朝からメイクもバッチリです。
すると真顔になって、ずんずん近づいてきて…こう言ったのです。
「あら？あなたもしかしてスッピン？
・・・ふーん」
「ままままま、眉は書いてますけどっ！」
美意識の高いウズメさんの圧は強かった。
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