今日は玉姫島唯一の医者、五條さんのお話です。(以前の五條さん)
ココだけの話、時々親しみを込めて、ヤブちゃんって呼ばれてます。みんな悪気はないんです。

「あー、毎日暑いなぁ。今日の診察予約は…0件か。みなさん健康で結構なことでございます、っと」
「オヤジから引き継いだ医院は例のアレでダメになったんで、今はココ。温泉マークはゴリラのウズメ嬢の家です。温泉の管理をしてもらってます」
「ナトリウム炭酸泉と薬湯、簡易サウナがあるよ。温泉の素使ってるけどね。温泉の入口はこっちだよ」

「家の中も見る?
患者さんが来たら、診察室でよく話を聞いて…」

「その人に合ったカプセルベッドにご案内。一応講習会で習ってきたから心配しないでね」

「こっちは治療用です。試してみる?」

「リラックスして横になる。だいたい30分ぐらいかな?寝ててもいいよ」

プシューーー!!
「終わる頃には健康な状態に戻ってる。簡単でしょ?」

「こっちは組織再生用なんだけど、まだ1回しか使ったことないんだよね。一度ホウサクくんのしっぽの先を再生しただけです」

「地下室ではプラズマと生命について観察を続けてます。観察だけ、ね」

「基本、時間の余裕がある毎日です。夕方になったらふじこさんの食堂へメシ食いに行って…」

「しばらく家で休憩したら、夜の徘徊に出かける日々。これ、今のところ俺の一番のリラックスタイムね。
ここの足湯はいつでも自由に使っていいよ。星見ながらの足湯、いいもんだよ」

「温泉のチェックをして、サウナの火を消して…っと」

「涼しい風が気持ちいいね〜。誰もいないね〜」

「いつもの散歩コースは、土地の低いところを一周して、」

「自販機でなにか買って…」

「小さな北の浜辺でゆっくりする。
あー!サイコーに気持ちいい!波の音聞いてると眠くなるよ」

「そのあと家に帰って、シャワーして…」

「寝る」
「俺一応医者なんだけどさ、一昔前の医療知識や常識は何だったのかと思うよ。今のカプセルベッドには、ほとんど役に立たないんだよ。
もちろん今のほうが、みんな健康なのは間違いないんだよね。いい時代になったと思うよ」
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