イッキ一族とねずみ色一族との、和睦の会が終わってしばらく経ったころです。
終わり
黒衣の女性はどうしてるのか気になって、見に行ってみました。
井戸はもう長い間、使われていないようです。例の物置小屋の隠し戸から中へ入りました。
以前は真っ暗だった細い通路に、光の筋が差しています。ところどころ壁板が外れているようです。
あの祭壇のところまで来ました。御札も額も何もありません。本当に何も。ただ埃が積もっているばかりです。
人の気配はありません。黒衣の女性も誰もいないようです。家の中はしーんと静まり返っています。
私の心も静かな静寂で満たされました。
また別の時には、イッキどうしてるかな〜と見に行きました。
イッキは薄ぼんやりと霞がかかったようなところにいました。
洗いすぎて色褪せたような芥子色の衣装を着ていました。
数十人の人々が座っています。イッキは全員を見渡せるように、その後ろに座っていました。ずいぶんと鎮静したエネルギーに変わっています。
「この場の調整をしている」とイッキは言いました。
ここはどこなん?
「(死んでから)自分が決めたところへ行くための、最終決定の場」
閻魔さんがいるところ?
「閻魔はいない。自分で決める」
調整って?
「取り乱す者がいても、全体を平波に保つ」
そこへは2,3回行ったでしょうか。ある時イッキは言いました。
「もうここへ来てはいけない」
「ここはお前たちがいるところから、まもなく切り離される。行き来できなくなる」
えっ?もうイッキと会えへんの?
「そうだ」
私は急に寂しくなりました。でも納得するしかありません。時代が大きく変わるのでしょう。
それからもう二度とイッキが現れることはありませんでした。
愛ある鑑定
50才ごろから、初めて自分の人生を生き始めた私は、どうしていいのかわかりませんでした。
人が怖いし、お金はないし、得意なこともなにもない。そんな時、何がきっかけか忘れましたが(ブログかも?)大阪の占い師さんに鑑定してもらうことになりました。仮にYさんと呼びます。Yさんは霊視ができる方でした。
鑑定は、当時の私はまったく自分が見えてなかったので、ピンと来ないところもありました。でも今振り返ると、うなずけることばかりです。
母親のことも少し相談しました。そうしたら私が話してないことまで、言ってくるのです。本当にびっくりしました。
途中でYさんが「お母さん、86まで生きるな」とおっしゃいました。
あーそうなんや、まだまだやな。関わりたくないけど、好きなように暮らしてくれたらそれでいいわ。と、そう思いました。
誤解のないように書いておきますが、占いで亡くなる年を出したのではないです。霊視でみたのです。みえても、必要でない人には言わないと思います。私は聞いて良かったです。
人生を楽しむことを教えてくれた、優しさと愛のある鑑定師さんでした。
終わりの始まり
それから何年経ったでしょう。
今年に入って母親は亡くなりました。86才でした。
やっと楽になれたな、と思いました。Yさん、やっぱりすごい!とも。
母親は晩年、施設で暮らしていました。まだ頭のはっきりしている時は、よくエネルギーだけで我が家にきていました。来てるとすぐにわかるんです。
何もない空間からお年寄り特有のにおいがして、ジリジリとしびれるような重たいエネルギーを感じました。もうそれが、本当にしんどかった。気づかないふりして、やり過ごしていました。
亡くなる1週間ほど前にも数回、ふっと線香混じりのお年寄りのにおいを感じました。
でも重たいのがなかったので、引っ越し前に住んでた住人さんかな〜?ぐらいに思っていたのです。あれは母親だったかもしれません。重くないのでスルーしてましたww
なんか母親側でも色々と片付いたのかもしれませんね。
私は父を呼び出しました。父は9才の時に亡くなっています。父ともあまり話したことはありません。
「お父さん!聞こえてる?迎えに来てあげて!確実に送り届けてや!」
こういう時は声に出して言います。えらそーな娘です。
次は母親に呼びかけます。どこまでもえらそーな娘です。
「いい?一回しか言わへんし、よう聞いといてや!この世に生まれさせてくれて、ありがとう!」
すると、ここしばらく背中に張り付いてたものがフワッと外れる感覚がありました。
ああ、これでほんまに終わりなんやな。長かったな。思いの外、心は揺れませんでした。
なんとなくちょっといい感じのエピソードで終わりそうでしょ?
でも、そうじゃなかったんです。
終わりの終わり
母親が亡くなって数日すると、再び背中がずっしり重くなってきました。
これは感じたことあるエネルギーです。イッキ達と和睦したはずの、ねずみ一族です。なぜ今頃になって?
あの手この手で一旦なくなっても、しばらくするとまた重くなるの繰り返しで、かなり辛い状況でした。
晩ご飯の支度をしてる時も、重くて呼吸もつらくて、とても苦しかったんです。あーもう限界かも、と思うぐらいです。
苦しさに耐えかねて、無意識に心の中でつぶやきました。
「ごめんなさい、もうゆるして…」
その途端、スッと全部消えました。
あれ??
あれれ? どうして?
私は考えました。そういえば和睦の会のとき、イッキ達は正座して深々と頭を下げてたけど、相手側は微妙な感じやったわ。ちょっと不服そうに、一応了承したという感じやった。
イッキ達があんなに詫びてるのに、喧嘩両成敗やのに、いつまでもしつこいな。了見狭いな。ぐらいに思っていました。
そうです。あの時、私はイッキ達が詫びるのを見ていた。見ていただけで、私、謝っていませんでした!
そこっ?!
そこ…?
私、なんですか?
念のために、もう一度お詫びしておきました。
それからは本当にすっきり軽いです。静かで居心地のいいところにいます。
これで本当に終わりの終わりです。(そう思いたい)
これでいいよね?
時代の変わり目に間に合ったかな?
今回、書いてて気づいたけど、要所要所で必要な人と、きっちり出会ってますね。登場してない方もいます。
ふだんは気にもしないけど、たぶん皆さん同じく、出会う必要のある人と出会ってるのではないでしょうか。
ありがたいことです。感謝しかないです。
そして、ここまで読んでくださったみなさまへ、ありがとうございます🥰
私なりに一生懸命書いたので、読んでいただいてとても嬉しいです。
みなさまと共に、もっと軽く軽く、自由に想うままに生きていけるようイメージしていきます。
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